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幼馴染のお墓の前で手を合わせていたら、忘れられないあの声が静かに私の心に届きました

 

案内していただき、私は幼馴染の家にたどりつきました。

ゆきちゃんが亡くなったあと、ご家族は引っ越しをされたので、この新しいお家を訪れるのは初めてでした。

少し緊張しながらインターフォンを押すと、出てきてくださったのはゆきちゃんのお兄さんでした。

少し驚いたような表情をされましたが、すぐにゆきちゃんと同じ優しい笑顔で私を迎え入れてくださいました。

家の中に通していただくと、ゆきちゃんのお母さんがいらっしゃいました。

お母さんは93歳になっておられました。

最初は私のことが誰だかわからないご様子でした。

そこで私は父と母の名前を伝え、そして自分の名前をゆっくりとお話ししました。

すると、お母さんの表情がふわっと明るくなりました。

まるで時が戻ったかのように、優しい笑顔になってくださったのです。

その瞬間、胸の奥がじんわりと温かくなりました。

お母さんは、ゆきちゃんが自ら命を絶ってしまったことを、長い年月のあいだ苦しみ続けてこられたことを話してくださいました。

息子の苦しみに気づいてあげられなかった自分を悔やみ続けていること

そう言って涙を流しながら、ゆきちゃんのいる天へ自分も行きたいと思うほど、30年近い時が経った今でも、つらい思いを抱えて生きてこられたことを話てくださいました。

私は、ゆきちゃんとの思い出を語りました。

一冊の本になるくらい、たくさんの思い出を語りました。

子どもの頃、一緒に遊んだこと。

笑い合った日々。

全てが、今となってはかけがえのない思い出であること。

お母さんも私の思い出話を嬉しそうに聞いてくださり、嬉しそうに

ずっと頷いてくださいました。

そして、私の記憶には残っていない幼い頃の私とゆきちゃんの思い出も、懐かしそうに話してくれました。

まるで遠い昔に戻ったような時間でした。

泣いたり笑ったりしながら、たくさん語り合いました。

帰る時、私はお母さんにお伝えしました。

「これからは、お墓だけでなく御仏壇にも手を合わせに来たいと思っています」

そうお伝えしたら、お母さんは優しく微笑みながら

涙を流しながら言ってくださいました。

私が来てくれてる事を

これからは楽しみに生きていけると。

その言葉を聞いたとき、胸がいっぱいになりました。

ゆきちゃんはきっと、自分が天に還った日から苦しみ続けてるお母さんのことを、ずっと気にかけていたのだと思います。

そして私に、

「母ちゃんを元気づけてあげてほしい」

そんな想いを託してくれたのかもしれません。

姿は見えなくても、ゆきちゃんの心は確かにここにあります。

私の中にも。

そして、お母さんの中にも。

あの日、お墓の前で手を合わせたときに届いたあの懐かしい声は、

ゆきちゃんが、お母さんを思う気持ちを私に託したのだと思います。

このお話には、まだ続きがあります。

また次回お話しさせてください。

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